近年、AIの進化によって、知識習得やロジック的なスキルは圧倒的なスピードで自動化されつつあります。学びの場でも、eラーニング、AI講師、動画教材などが浸透し、必要な情報は“検索すれば手に入る”時代となりました。
しかし、ここで重要になるのが、「検索できない力」。すなわち、非認知スキルです。
非認知スキルとは?
非認知スキルとは、テストで測れるような「知識」や「IQ」などの認知能力とは異なり、「やり抜く力」「他者への共感」「感情のコントロール」「自己肯定感」など、目には見えにくいけれども、人の成長や社会適応において非常に重要な力のことです。
教育現場では「生きる力」、ビジネスシーンでは「ヒューマンスキル」「ソフトスキル」などとも言われています。
なぜ非認知スキルが大事なのか?
たとえば、あなたのチームにとても優秀で知識も豊富な新入社員が配属されたとします。しかし、本人が自信を持てず、周囲に質問できなかったり、ミスを恐れて行動できなかったりすれば、その知識は“宝の持ち腐れ”となります。
また、リーダー職であれば、メンバーの心情をくみ取り、的確に励まし、時に厳しく指導する——その繊細な「空気の読解力」や「感情の扱い方」は、AIには到底まねできない領域です。
今、企業が育てるべき“人の力”はまさにここなのです。
非認知スキルの育て方:AIでは補えない“体験”を
非認知スキルは、知識注入では育ちません。以下のような「体験」がカギになります。
- 失敗と挑戦の場を与える:「うまくいかない体験」こそが感情を揺さぶり、自信や工夫力を育てます。
- 多様な他者との対話:自分と異なる価値観に触れることで共感力や柔軟性が高まります。
- 内省の時間:ジャーナリングやコーチングを通して、自分の感情や行動を振り返る習慣を持たせましょう。
- 感情を扱うワーク:弊社で行なっている”Points of You®”のような視覚的カードツールを用いると、感情表現や深い対話が自然に生まれます。
企業に必要なのは“仕組み”と“理解者”
非認知スキルの育成は、一朝一夕にはいきません。「即効性」が求められる現場では軽視されがちですが、長期的にみると人と組織の“根っこ”になる要素です。
ですから、人事・育成部門の皆さまには、次のような視点での設計をおすすめします。
- 評価制度の中に“過程”を見る指標を組み込む
- 非認知スキル育成の必要性を経営層と共有する
- 心理的安全性を土台にしたチームづくりを支援する
非認知スキルは、「教えるもの」ではなく、「共に育むもの」。それを支援する人の存在こそが、AIでは絶対に代替できないのです。

今回のまとめキャッチ:「“検索できない力”こそ、未来の武器だ!」
(※次回に続く:第5回「“人×AI”時代の育成担当者の新しい役割とは?」)
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